XGRIDSシリーズには、Lixel K2、Lixel L2Pro、PortalCam、Lixel K1など、用途に応じた複数の3Dスキャンデバイスがあります。どの機種も空間を3Dデータ化できる点は共通していますが、実際に撮影したデータを見比べると、近景に強い機種、遠景に強い機種、広範囲の計測に向いている機種、見た目のリアルさを重視した機種など、それぞれの得意分野が見えてきます。今回は、実際に撮影したデータをもとに、各機種の描画品質や安定感、用途ごとの向き・不向きを比較しました。この記事では、スペック表だけでは判断しにくい「実際の撮影データの見え方」を中心に比較します。特に、Lixel K2とPortalCamでは近景や質感表現にどのような違いがあるのか、Lixel K2とL2 Proでは撮影範囲や用途にどのような違いがあるのかを、実際のデータを見ながら確認していきます。Lixel K2の基本性能や対応するデータ形式、活用分野を先に確認したい方は、Lixel K2の製品ページもあわせてご覧ください。なお、今回の撮影は、3Dスキャンの専門スタッフではなく、入社2か月目のWebマーケターが実施しています。そのため、記事内で紹介している撮影データは、各機種の性能を最大限に引き出したものではなく、あくまで「初心者が実際に撮影してみた場合の一例」としてご覧ください。一方で、専門知識が少ない状態でもどの程度扱えるのか、どの機種が直感的に使いやすいのかを確認するという意味では、実際の導入検討に近いリアルな比較になっています。なお、3DGSや点群データの品質は、機材の性能だけで決まるものではありません。撮影ルート、歩行速度、対象物との距離、撮影時間、光の状態、周囲を移動する人や車、変換時の設定などによって、最終的なデータの見え方は変わります。そのため、この記事で紹介する結果は、各機種の絶対的な性能差を示すものではなく、同じ担当者が実際に撮影した際の比較例としてご覧ください。比較のポイント今回は、単純なスペック比較ではなく、実際に撮影したデータを見たときの違いを中心に比較します。主に見たポイントは以下です。近景の描画品質遠景の描画品質広範囲撮影時の安定感質感や見た目のリアルさ点群・計測用途への使いやすさ3DGS・VR空間制作への向き不向き不具合リスクや撮影時の安心感結論として、近景や質感表現はPortalCam、遠景や広範囲の安定感はK2、より大規模な計測はL2 Proという使い分けがしやすい結果になりました。今回は、主に3DGSデータの見え方と、撮影時の扱いやすさを比較しています。測量精度や点群の座標精度を同一条件で検証したものではないため、記事内の「綺麗」「安定している」「描画品質が良い」といった評価は、主に撮影データを閲覧した際の視覚的な印象を示しています。測量、BIM、出来形管理、点群納品などに使用する場合は、描画品質だけでなく、必要な精度、対象範囲、座標情報の有無、納品形式なども含めて機種を選ぶ必要があります。近景の描画品質はPortalCamが強いまず、近距離の描画品質や質感表現では、PortalCamの強みがよく出ていました。対象物に近づいたときの見た目の自然さ、素材感、空間の雰囲気の伝わり方は、PortalCamが得意とする領域です。PortalCamで撮影したデータ LCCデータはこちらたとえば、以下のような用途ではPortalCamが向いています。不動産内覧店舗・ショールームの3D化展示会やイベント空間の記録観光施設のバーチャル体験文化財や展示物のアーカイブ映像制作・VR/ARコンテンツ制作PortalCamは、点群や計測というより、見た目のリアルさや空間体験を重視したいときに強い機種です。実際に車を撮影したデータを見比べても、車単体の描画品質や見た目の自然さでは、PortalCamに分があると感じました。今回の撮影データで特に違いを感じたのは、車体の反射表現です。今回のデータでは、PortalCamの方が車体の反射が過度にギラつかず、比較的自然に表現されているように見えました。そのため、車や製品、展示物など、近距離で対象物の見た目をきれいに見せたい場合は、PortalCamが有力な選択肢になります。一方でK2は、車単体のフォトリアルな見え方ではPortalCamに譲る部分があるものの、周辺環境を含めた広い空間の取得や、点群・計測用途への展開に強みがあります。近くの対象物をしっかり見せたい場合や、質感をリアルに伝えたい場合には、PortalCamの描画が活きます。遠景や広めの空間ではK2の安定感が目立つ一方で、遠景や広めの空間を撮影した場合は、Lixel K2の描画品質と安定感が目立ちました。K2は、近距離だけでなく、少し離れた構造物や広い空間でも破綻しにくく、全体のまとまりが良いデータを取得できます。K2で撮影したデータ LCCデータはこちらPortalCamは近景の見た目に強い一方で、広範囲を計測するような使い方では、K2の方が安心感があります。特に、広い空間を歩きながら取得する場合や、点群・計測用途まで見据える場合は、K2の安定感が大きなメリットになります。K2でも、時間をかけて丁寧に撮影すれば、近景でもかなり高い品質を狙えます。ただし、短時間で広範囲を安定して取得したい場合や、不具合リスクを抑えたい場合は、K2の方が扱いやすい結果になりました。K2は資料でも、リアルタイムカラー点群、内蔵RTK、リアルタイムノイズ除去、動的オブジェクト除去、点群強化などを備えた実務向けモデルとして紹介されています。K2は「見やすさ」と「測りやすさ」のバランスが良いK2の特徴は、単に綺麗に見えるだけでなく、点群・計測用途にもつなげやすいことです。実際の撮影データを見ても、見た目のわかりやすさと、構造物の把握しやすさのバランスが取れています。特に、以下のような用途ではK2が使いやすい機種です。建設現場の現況記録設備・配管・機械室の記録改修前の空間把握BIM用データ取得デジタルツイン作成点群納品広範囲の現場確認施工前後の比較K2は、撮影データの見た目だけでなく、実務で活用することを考えたときの安定感があります。また、リアルタイムカラー点群によって、撮影中に取得状況を確認しやすい点も大きなメリットです。撮影後に「ここが取れていなかった」と気づくリスクを減らしやすくなります。K2は、フォトリアルな3DGSだけを目的とした機種ではなく、高精度な点群を取得し、BIM、デジタルツイン、現況記録、設備管理などへ活用することも想定されたモデルです。約1.2kgのコンパクトな本体に、360°LiDAR、3台のビジュアルカメラ、RTKモジュールを搭載しており、点群と3DGSの両方を取得できます。製品仕様や対応するデータ形式については、XGRIDS Lixel K2製品ページで詳しく紹介しています。L2Proは広範囲に強いが、至近距離ではK2が綺麗に見える場面もLixel L2Proは、広範囲の計測に強いモデルです。屋外や大規模な空間、土木・インフラ・文化財・広域スキャンなど、広い範囲を一気に取得したい場合には、L2Proの強みが出ます。 L2Proで撮影したデータ LCCデータはこちらぱっと見の描画品質も良く、広い範囲をしっかり取得できています。一方で、今回の撮影条件では、至近距離の描画はK2の方が綺麗に見える場面もありました。そのため、使い分けとしては以下のように考えるとわかりやすいです。広範囲・屋外・大規模現場を本格的に計測したい場合:L2Pro軽量機で近距離から遠景までバランスよく撮りたい場合:K2遠景や広めの空間を安定して撮りたい場合:K2L2 Proは大規模な現場向け、K2はより手軽に持ち出せて、近距離から広めの空間まで扱いやすいモデルです。ただし、K2とL2 Proは、3DGSの見え方だけで選ぶものではありません。L2 Proは、最大測定距離や点群取得レートの異なる複数の構成があり、広い屋外空間やインフラ、土木現場などの本格的な計測に向いています。一方、K2は約1.2kgと持ち運びやすく、建物内、設備周辺、中小規模の現場などを歩きながら機動的に取得したい場合に適しています。広い屋外や大規模な現場を本格的に取得したい:L2 Pro軽量性と点群品質を両立したい:K2屋内外の現況を日常的に記録したい:K2車載、ロボット、ドローンなども含めて運用したい:L2 Proこのように、撮影範囲と運用方法を基準に選ぶと、機種の違いを整理しやすくなります。K1は手軽だが、撮影姿勢に慣れが必要Lixel K1は、手軽に3Dスキャンを始められる軽量モデルです。K1で撮影したデータ LCCデータはこちらただし、K1は撮影時に本体を少し傾ける必要がありました。これは、K1のLiDARが水平より下方向をスキャンしにくいため、床面や足元まで取得するには、本体を前方へ約15度傾けながら撮影することが推奨されているためです。一方で、通常の歩行時には本体の傾斜が20度を超えないようにする必要があり、角度を意識しながら撮影する必要があります。一方、K2はLiDARが前方や足元を取得しやすいように傾斜して配置されており、さらに正面カメラも追加されています。K2は正面カメラを追加した3カメラ構成となっており、本体を大きく傾けなくても、撮りたい方向へ向けながら撮影しやすくなっています。そのため、K2は本体の傾きを意識せず、撮りたい場所にそのまま向けて撮影しやすくなっています。K1は手軽に使えるモデルですが、撮影時の角度には少し慣れが必要です。K2は、その点でより直感的に扱いやすい機種です。撮影データの品質は機種以外の条件でも変わる今回の比較では機種ごとの違いが見られましたが、3DGSや点群の品質はスキャナーだけで決まるものではありません。主に、次のような条件が撮影結果に影響します。撮影時の明るさ屋内外の明るさや、撮影途中の光量変化によって、色や質感の見え方が変わることがあります。特に屋外では、撮影中に日差しや雲の状態が大きく変わると、同じ場所でも明るさが異なる画像として記録される可能性があります。対象物の材質鏡、ガラス、光沢の強い金属、水面など、反射や透過が発生する対象は、LiDARやカメラで取得しにくい場合があります。今回比較した車体の反射表現についても、車の色、素材、周囲の光、撮影距離などによって結果は変わります。撮影ルート対象物を一方向から撮るだけでは、裏側や奥まった部分の情報が不足する可能性があります。重要な対象物は複数の方向から撮影し、広い空間では撮影開始地点付近へ戻るルートを設定すると、データの安定性を高めやすくなります。歩行速度と本体の動かし方急に向きを変える、急停止する、本体を大きく振るといった動作は、点群や3DGSの品質に影響する可能性があります。一定の速度で歩き、曲がり角や狭い場所では速度を落としながら撮影することが重要です。変換時の設定同じ撮影データでも、LCC StudioやLixel Studioの設定、使用するソフトウェアのバージョンなどによって、出力結果が変わる場合があります。機種を比較する際は、撮影方法や変換条件もできるだけそろえて確認する必要があります。撮影データから見る機種ごとの使い分け実際に撮影したデータをもとに、各機種の使い分けを整理すると以下のようになります。やりたいこと向いている機種理由近景を綺麗に見せたいPortalCam質感や見た目のリアルさに強いフォトリアルなVR空間を作りたいPortalCam近距離の3DGSや空間体験の制作に向いている遠景や広範囲を安定して撮りたいK2描画品質と安定感のバランスが良い計測・BIM・点群活用に使いたいK2持ち運びやすく、点群と3DGSの両方を取得できる広範囲・屋外・大規模現場を計測したいL2 Pro広域取得や本格的な計測に向いている手軽に3Dスキャンを始めたいK1 / K2K1はシンプルで手軽、K2はより直感的で実務用途にも展開しやすい見た目と計測用途の両方を重視したいK23DGSの見やすさと点群活用のバランスが良いどの機種が一番良いというよりも、何を撮りたいか、撮ったデータをどう使いたいかで選ぶことが重要です。機種別のおすすめ用途PortalCamがおすすめなケースPortalCamは、見た目のリアルさを重視する用途に向いています。たとえば、不動産内覧、観光施設、展示会、ショールーム、文化財、映像制作など、ユーザーに「その場にいるような体験」を届けたい場合に強い機種です。おすすめ用途:VR内覧バーチャル展示観光コンテンツ文化財アーカイブ映像・ゲーム制作近景の質感表現K2がおすすめなケースK2は、描画品質と計測用途のバランスが良いモデルです。遠景や広めの空間でも安定感があり、点群・BIM・デジタルツイン活用まで考える場合に向いています。おすすめ用途:建設現場の現況記録改修前の空間把握BIM用データ取得デジタルツイン点群納品設備・配管・機械室の記録広範囲の現場確認L2ProがおすすめなケースL2Proは、広範囲や大規模現場に向いたモデルです。屋外、土木、インフラ、広域計測など、広い範囲を効率的に取得したい場合に向いています。おすすめ用途:屋外計測土木現場インフラ点検大規模施設のスキャン広範囲の文化財記録ドローン・車載などを活用した計測K1がおすすめなケースK1は、手軽に3Dスキャンを始めたい方に向いています。シンプルに空間を記録したい、まずは3Dスキャンを試してみたい、という場合には扱いやすいモデルです。おすすめ用途:簡易的な現場記録小規模空間の3D化VR化の入り口初めての3Dスキャン導入実際の比較から見えたK2の強み今回、撮影データを比較してみると、K2には以下の強みがありました。1. 遠景や広範囲での安定感広めの空間でも描画品質が安定しており、全体のまとまりが良いデータを取得できます。2. 近景も丁寧に撮れば綺麗に撮れる近景はPortalCamが強いものの、K2でも時間をかけて丁寧に撮影すれば、高い品質を狙えます。3. 計測用途で安心感がある内蔵RTK、点群品質向上、ノイズ除去、動的オブジェクト除去など、実務で使うための機能が強化されています。4. 広範囲撮影時の不具合リスクを抑えやすい広い空間を撮影する場合、撮影データの破綻や不具合リスクは気になるポイントです。今回の比較では、K2は広範囲でも安定して使いやすい結果になりました。5. 見た目と点群活用のバランスが良いPortalCamほど近景特化ではありませんが、遠景や広範囲での描画品質が良く、さらに計測・点群活用にもつなげやすい点がK2の強みです。今回の比較から、K2は「最も近景が綺麗な機種」や「最も広範囲を取得できる機種」というよりも、携帯性、撮影のしやすさ、3DGSの見え方、点群活用のバランスに優れた機種だと感じました。現況記録からBIM、設備管理、デジタルツインまで、ひとつの機種で幅広く展開したい場合に検討しやすいモデルです。Lixel K2の仕様や実際の活用シーンについては、軽量ハンディ3Dスキャナー「Lixel K2」の製品ページをご覧ください。XGRIDSの撮影データ比較に関するよくある質問K2とPortalCamはどちらが綺麗ですか?今回の比較では、近距離にある対象物の質感や見た目の自然さは、PortalCamの方が綺麗に見える場面がありました。一方、K2は遠景や広めの空間でもまとまりのあるデータを取得しやすく、点群や計測用途にも展開しやすいことが特徴です。近景の見た目を重視する場合はPortalCam、空間全体の取得と点群活用を両立したい場合はK2が候補になります。K2とL2 Proはどちらが広範囲の撮影に向いていますか?大規模な屋外、土木、インフラなどの本格的な計測には、L2 Proが向いています。K2も広めの空間を取得できますが、約1.2kgの軽量性を活かし、建物内や設備周辺、中小規模の現場を機動的に撮影したい場合に適しています。K2は3DGSと点群の両方を取得できますか?K2では、LiDARによる点群と、カメラ画像を利用した3DGSの両方を取得できます。現況の形状や位置関係を確認する点群と、空間の見た目をフォトリアルに表現する3DGSを、目的に応じて使い分けられます。実際の撮影データを確認できますか?アクティブリテックでは、XGRIDS各機種で撮影したデモデータをご案内しています。実際のデータを見ながら比較したい場合や、自社の現場に適した機種を確認したい場合は、デモや導入相談をご利用ください。まとめ:撮影データで見ると、各機種の得意分野が見えてくる実際の撮影データを比較してみると、XGRIDS各機種の得意分野がよりわかりやすくなりました。近景の質感や見た目のリアルさを重視するならPortalCam。広範囲の本格計測ならL2Pro。手軽に3Dスキャンを始めるならK1。そして、遠景や広めの空間での安定感、点群・計測用途への展開まで考えるならK2が使いやすい選択肢になります。K2は、PortalCamほど近景特化ではありませんが、丁寧に撮影すれば近景もかなり綺麗に撮れます。さらに、広範囲を撮影したときの安定感や、計測用途への展開しやすさが大きな強みです。見た目を重視するならPortalCam。広範囲の本格計測ならL2Pro。手軽さ重視ならK1。見やすさと測りやすさのバランスを重視するならK2。撮影データを比較することで、用途に応じた機種選びがしやすくなります。なかでもLixel K2は、軽量性と撮影のしやすさを備えながら、点群、3DGS、BIM、デジタルツインなど、取得後の幅広い活用を検討できるモデルです。一方で、実際に必要な機種は、撮影対象の広さ、屋内・屋外、必要な精度、最終的な成果物によって異なります。アクティブリテックでは、製品の販売だけでなく、実機デモ、機種選定、レンタル、撮影代行、取得したデータの活用についてもご相談を承っています。「K2で自社の現場を撮影できるか確認したい」「PortalCamやL2 Proと実際のデータを比較したい」「点群と3DGSのどちらを使うべきかわからない」という方も、まずは用途や撮影したい場所についてお聞かせください。Lixel K2の詳しい仕様や活用方法については、XGRIDS Lixel K2製品ページでご確認いただけます。XGRIDSの導入・レンタル・撮影代行のご相談はこちらXGRIDSシリーズに興味をお持ちの方は、ぜひアクティブリテックまでご相談ください。当社では、XGRIDS全機種の販売・レンタル に対応しているほか、現場での 3Dスキャン撮影代行 も承っています。「どの機種が自社の用途に合うかわからない」「実際の撮影データを見て比較したい」「まずはレンタルで試してみたい」「現場撮影だけ依頼したい」「点群や3DGSデータを業務で活用したい」といったご相談も歓迎です。機種選定から、デモ、レンタル、現場撮影、取得データの活用方法まで、目的に合わせてご案内いたします。XGRIDSの導入・レンタル・撮影代行のご相談はこちら